村上にはたくさんの町屋が残っています。
間口が狭くて奥に深い、うなぎの寝床のようなつくり。土間、立派な神棚とお仏壇。
お店と家が土間でひと続き、商いと暮らしが地続きになっているのも特徴。
築年数も、多くの町屋は100年を越えます。
博物館などではなく、暮らしのある生きた空間に身を置いて、そこに住まう方の話が聞ける。
とっても贅沢です。
吉川酒舗さんは、おそらくお店をされている町屋で唯一、三和土の土間が残っています。
三和土。
“たたき”って読めました?
土と石灰とにがりを混ぜてたたいた、昔のままの土間。コンクリートじゃないんです。
自然の素材を使っているから、乾燥している日は写真のように出っ張っている部分の土が乾いて白っぽくなり、凹凸がよく分かるし、湿気の多い日は、乾かず全体的に土色に。
吉川酒舗さんにお邪魔したら、ぜひ、おかあさんに建物のお話を聞いてみてください。
私も毎度、目から鱗がぽろぽろ。
何度訪れても新しい発見があり、歴史の積み重ねを感じます。
この暖簾が大好き。
※他のお店さんもそうですが、村上のお店はお家と一続きになっているので、そもそも見学しているところはお家の中だったりします。写真を撮りたいときは、必ず一声かけて確認してからにしてくださいね。吉川酒舗さんは、フラッシュ禁止です。古い建物や調度品が、強い光で劣化するのを防ぐため。
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吉川酒舗(きっかわしゅほ)
住所:新潟県村上市肴町1-5